書籍『BE THE PLAYER――自治体丸ごと学びを変える、加賀市の挑戦』の紹介についてのお知らせ
※上記画像は、当法人事務局が撮影
加賀市教育委員会教育長の島谷千春様より、著書『BE THE PLAYER――自治体丸ごと学びを変える、加賀市の挑戦』(2025年3月28日発刊、教育開発研究所)をご恵送いただきました。
本書は、「はじめに」における以下の書き出しから始まります。
「公立学校は本当に変われるのか。」当初、私のなかに答えも自信もありませんでした。
私は、「加賀市の公立全小・中学校の教育を抜本的に変える」というミッションを背負って、突如縁もゆかりもない石川県加賀市の教育長になりました。任期はたった2年半。そして2年後には、加賀市は全国各地から学校関係者などがひっきりなしに訪れる場所へと大きく変化を遂げました。
なお、加賀市では、改革の成果指標の一つとして当法人の「ScTN質問紙」をご活用いただいております。本書においても、「終章」の「改革の成果の測り方」の中で、以下のとおりご紹介いただきました。
改革2年目は、小学校3年生以上は、「ScTN質問紙」を使って子どもの主体性の変化や学びの意識の変化を測っています。 〔中略〕 この質問紙の内容が、実に加賀市で育てたい子どもの力とマッチしており、使い始めました。やってみると、各学校の子どもの学びの充実っぷりというこちらがザクッと感覚的に得ているものと、数字はだいぶ近いものがありました。個々の授業改善や研究の軌道修正をするためにも活用されていますが、先生によっては、子どもの主体性を大事にして授業をしていたつもりだけれど、子どもたち自身はまだそこまで実感をもてていないというような結果も出てくるようで、大人が見る主体性と子どもが感じる主体性というのは、案外感覚が違うもんなんだなと思わせられるような一面もあるようです。子どもにそう思わせる要因はなんなのか、コントロールがまだまだ強くて、単に敷いたレールを進ませるだけになっていないかなど、考えるきっかけになります。そういう大人と子どもの感覚のギャップこそ、大切に考えたいと思います。 〔中略〕 いずれにしろ、定性的にしか成果を表現することができないことも多々ありますが、変化するためにがんばっている現場を守っていくためにも、しっかり多方面から根拠を集めておくことが大事だと思っています。
ScTN質問紙については、以下の記事内でも調査結果が紹介されています。 本書と合わせ、ぜひ、ご覧下さい。
・学びの主役は「自分」 全学年一斉に単元内自由進度学習~加賀市立庄小学校(2024年11月7日、教育家庭新聞)
・書籍の出版社紹介ページ(教育開発研究所公式ウェブ内)
以下、書籍紹介ページから転載
[本書の概要] 2022年、文部科学省職員から石川県の加賀市教育委員会教育長に就任した島谷千春氏は、加賀市の全小・中学校の授業改善に着手されます。 わずか2年半で加賀市の全小・中学校で着実に子どもたちの学びが変わっていき、全国からの視察が殺到する事態になりました。 そして加賀市の学校教育ビジョン「BE THE PLAYER」は、学びの主役である子どもはもちろん、すべての人が当事者として学校教育にかかわろうと思えるポジティブなメッセージとして注目されました。 なぜ、加賀市は2年半で劇的な変貌を遂げたのか――その軌跡を、「チーム加賀」の先頭で旗を振り続けた島谷教育長が解説します。
[本書の目次]
はじめに
序章 課せられたミッション レアキャラ教育長 着任前から大改革モード スローガンは「BE THE PLAYER」 5つのデザイン戦略
第1章 ビジョンデザイン 学びを変える意味 子どもの「未来」のこと 子どもの「今」のこと 議論し尽くされた教育のあり方 学校の温度感とビジョンのハードル 全部を強めると全部が弱くなる Project1「学びを変える」 Project2「誰一人取り残さない Project3「未来は自分で創る」 Project4「地域と一緒に」 課題はこれを進める人 スローガンの誕生は最後の最後 デザインの力
第2章 コミュニケーションデザイン 開いた距離を縮める たかが服装、されど服装 モデル校はつくらない 働き方改革と言わないで 先生たちのペースはそろえない マニュアルはつくらない やらされ感のない世界 「理」と「情」の両刀使い 月1回のラブレター 能登半島地震が起きたとき
第3章 教員研修デザイン 子どもの学びと「相似形」を目指す 伴走型研修のはじまり そもそも「伴走」とは何か 伴走が必要なシーン 伴走マインドの転移 対話型研修の設計 研修のタイミングとターゲット 人事異動に耐える 全教職員対象の研修デザイン 本当の意味で「対話」ができる場づくり 進む組織、進まない組織 校長先生の反発はあったのか 主任層は同志 一人と二人は雲泥の差
第4章 授業デザイン・学びの空間デザイン あの子が気になる空間 意識改革は後からついてくる 目指したのは自由進度学習ではない 子どもと目的を共有する 「自由」と「規律」のせめぎあい 我慢すること、待つこと、信じること 学びの地図を開示する 一番苦しい子の姿を想像する 自己選択・自己決定のデザイン 「一人ぼっち」と「固定化」する不安 「戻る」ことの価値 学びが変わるから生かされる空間 環境設計と導入が9割 学びのエンタメ性 人の授業の見方の変化 一つの山を越えたと気づくとき 自分の学びを自分で言語化する 小学校から中学校へつなぐ 二兎を追うむずかしさと絶妙さ
第5章 広報・PRデザイン 熟すまで待たない 広告とは「好告」 見られて、魅せて、成長する 不完全がちょうどいい 難問の保護者アプローチ
終章 子どもたちの変化 「お母さん」だったり「教育長」だったり 改革の成果の測り方 やっぱり全部つながっている 不易流行と脱皮しないヘビ
あとがき
参考文献