講演内容「授業改善から学びの構造転換へ~求められる学び/教育と教員の働き方改革とを相乗的に実現するために」(2024年8月23日実施)の公開についてのお知らせ
有限監査法人トーマツ様からの依頼を受け、当法人の代表理事・山口裕也がご講演させていただきました。トーマツ様のご許可を得て、当日お話しさせていただいた内容を講義スライドとともに公開しましたので、お知らせいたします。(当日お話しした内容(文字起こし)は、スピーカーノートからご覧いただけます。)
※本ページ内の埋め込み形式ではなく、Googleスライドでご覧になりたい場合は、こちらからアクセスしてください。
今回のウェビナーは、「教職員の働き方改革を支援するセミナー~今、各学校園で求められる働き方改革とは」と題して開催されたものです。山口からは、4部構成の第2部において、「授業改善から学びの構造転換へ~求められる学び/教育と教員の働き方改革とを相乗的に実現するために」という主題でお話しさせていただきました。今回、公開した内容とスライドは、この部分に該当するものです。
具体的には、働き方改革の先にある望ましい未来=ゴールに不可欠な要素として、教員数の算定基準を学級数から児童生徒数に転換した上で、教員が常に複数体制で教務(授業)に臨める体制を実現する必要があるのではないかということ。より具体的には、一例として、教員1人当たりの児童生徒数を12人、言い換えると、教員2人で児童生徒24人を見る体制を国の制度として保障する必要があるのではないかということ。また、こうした望ましい未来=ゴールを国民的な議論を通して描き、共有した上で、給特法の改正をはじめとした現在の取組みの一つ一つを、その実現ためのロードマップ上に位置付け直すこと。
さらに、このような長期的なゴールを未来に見据えつつ、今、求められる学び/教育と教員の働き方改革は、当法人がかねてより提唱している学びの構造転換によって相乗的に実現できること。先行事例としては、代表的かつ当法人の関与があるものとして、名古屋市教育委員会(愛知県)、鹿児島市教育委員会(鹿児島県)、芦屋市教育委員会(兵庫県)の取組みがあること。等です。
なお、第4部では、「今後の教職員の働き方改革の展望に関する意見交換」と題して、第1~3部を振り返りつつ、教員の養成から教育委員会の支援、国の制度に至るまで、さまざまな議論が交わされました。
山口からお話しさせていただいた内容としては、近代市民社会の本質が、「委ねておいて文句だけを言う」ことではなく「引き受け支え合う」という意味での当事者性にあることを踏まえ、公教育政策とは、誰が、どのように担うものであるのかを考え直す関係の再構築が必要であること。一例として、フリースクールなどの外部施設における一定要件下での出席扱いは、その象徴的・代表的な事例としても捉えられること。
また、情報端末とAIが普及した時代において、生身の人間、その中でも“あなた”という一人の人が教員をすることの意味と価値は、他の誰とも違うその人自身の人生経験にあること。それゆえ、教員には、仕事以外にも好きなことを中心に経験を広げることのできる余裕が必要であり、そうした機会を社会的な合意の下で制度的に保障していくことが、教員の幸せな働き方にもつながること。加えて、一人一人の教員が人生経験に基づく自らの個性を最大限に発揮できるようにするためにも、複数体制が必要であること。等がありました。
よろしければ、ご覧ください。
日時:2024年8月23日(金) 14:00~15:30 場所:Webinar(オンラインセミナー) 参加費:無料 定員:100名 対象:全国の都道府県市町村の教育委員会担当者、各学校園の教職員 参考:デロイト トーマツ セミナー情報(リンク)