名古屋市教育委員会の「令和5年度 特定分野に特異な才能のある児童生徒への支援の推進事業(文部科学省)」に関する成果資料の紹介
当法人では、名古屋市教育委員会の「特定分野に特異な才能のある児童生徒への支援の推進事業(文部科学省)」に関する取り組みを支援しています。
このたび、本事業の令和5年度の成果資料が公開されたましたので、ご紹介します。
・令和5年度 特定分野に特異な才能のある児童生徒への支援の推進事業について(文部科学省公式ウェブ内)
令和5年度 特定分野に特異な才能のある児童生徒への支援の推進事業について:文部科学省
特定分野に特異な才能のある児童生徒(以下「特異な才能のある児童生徒」という。)は、その才能や認知・発達の特性等がゆえに、学習上・学校生活上の困難を抱えることがあると指摘されています。しかし、これまで我が国の学校において、特異な才能のある児童生徒を念頭においた支援の取組はほとんど行われてきませんでした。 このため、本事業では、こうした児童生徒への支援方策を開発し推進するため、多様性を認め合う個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実の一環として、(1)~(4)に掲げる特異な才能のある児童生徒に対する支援に関する取組を実施します。 (1)特異な才能のある児童生徒に関する研修パッケージの作成 (2)特異な才能のある児童生徒の特性を把握するツールや特異な才能のある児童生徒の支援に資するプログラム等のデータ収集・整理 (3)特異な才能のある児童生徒に対する指導・支援に関する実証研究 (4)特異な才能のある児童生徒の指導・支援を行う教職員・保護者を対象とする相談支援に関する実証研究
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名古屋市教育委員会では、本事業における研究テーマを「一人一人の個に応じた学びを支える『緩やかな協働性』の創り手となる児童の育成とカリキュラムデザインの研究」とし、実証研究協力校において、週に5~10時間程度、児童が「いつ学ぶか」「何を学ぶか」「どこで学ぶか」「どのように学ぶか」を自分で選択する複数教科同時進行型の自由進度学習に取り組んでいます。
本取組みについて、成果資料の一つとなる「研究成果報告書」では、以下のように解説されています。
自由進度学習は、緩やかな協働性を基盤としつつ、学習者一人一人の学びにおける自己決定の機会を最大化する。より具体的には、誰もが、必要な時に、必要な仲間と協力できるという安心感を土台にしつつ、自分の興味関心や得意を生かした、また、苦手を補うような学びの内容や方法が許容されるということであり、これは、結果として、特異な才能のある子どもたちを含む全ての児童生徒への包摂性を高めることになる。 自由進度学習では子どもたちが互いに高め合い補い合いながら自立解決型の学びを進めていくのであり、学びの基盤である、全ての子どもが互いに尊重され、誰もが、必要な時に、必要な仲間と協力できる「緩やかな協働性」が、最も重要な要因であると考える。そこで本研究では、子どもたちが自律した学び手となるために、子どもたち自身が「緩やかな協働性」の創り手となることを目指し、実証研究協力校において取り組むイエナプラン教育の活動(対話、遊び等)やプロジェクトアドベンチャーを参考とした学級づくりの実践の更なる改善・充実を進めるとともに、カリキュラムデザインとして、児童の積み重ねた経験や学級の状況との関係における自由進度学習の進め方や、学級づくりの実践をカリキュラム上において整理することに取り組むものである。
また、「(参考資料)概要資料」では、名古屋市教育委員会と当法人が共同開発した質問紙の結果も掲載されています。当法人の「ScTN質問紙」と同趣旨の質問紙です。
ぜひ、ご覧ください。
・研究成果報告書(pdfファイルへの直接リンク、文部科学省公式ウェブ内)
www.mext.go.jp
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・(参考資料)概要資料(pdfファイルへの直接リンク、文部科学省公式ウェブ内)
www.mext.go.jp
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